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仕事

師匠と弟子

「お前には手を焼かされたが、過去最強の弟子だ」

「おちこぼれだったが、教えたことを最も理解してくれた。弟子に持って誇りに思う。」

ド⚪︎クエ関連の漫画における、師匠が(現在第一線で活躍している)魔法使いに向けた言葉である。

時代は変われど、外科と呼ばれる科には徒弟制度が残っている。職人であるが所以だろう。

今の分野に足を踏み入れて3年。新しい上司に変わり半年が過ぎようとしている。自分は不出来な魔法使い、上司は熟練の師匠という図が、あの漫画に似ている。教科書や論文といった座学、外来や手術という実践によって日々研鑽しているつもりであるが、まだまだ独り立ちできるレベルではない。

ある日、珍しく残業があり、一息ついた時に言われた。

この分野は大変だろう。もっと楽なところはいっぱいあるのに、なんでこんなとこ選んだんだろうと自分でも思う。先生は今ならまだ進路変更できる年齢だよ(笑)

苦笑いするしかなかった。口調からして嫌味ではなく親切で言ったものと思うが、この先が遠いことだけはわかった。

今の自分のレベルには辟易するが、とりあえず見捨てられてはいない以上、なんとか喰らいつくしかない。いつか、ああいうセリフを言わせてみたいもんだ。

ABOUT ME
子育て整形外科医
40歳代、1児の父である整形外科医が子育てに奮闘する話です。日々の生活を中心に、時に仕事の話を加えながら回想録やこだわりなどにも踏み込みます。 整形外科専門医、産業医の資格を持っています。 ※このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。