自分もそうであったが、子供はよく風邪をひく。
年中発熱や下痢で保育園から呼び出しがあるとは聞いていたが、それ以外にも咳や鼻水などはしょっちゃうある。免疫獲得のため、過保護にしないことにはしているが、それにしても多い。世間は冬にさしかかり、いよいよ風邪シーズン到来である。
その日は息子をいつも通り寝かしつけ、風呂に入ってくつろいでいたところ、妻が血相変えて飛び込んできた。
—吐いた!
—え?普通に寝てたんじゃ・・・
—何度も咳き込んで、吐いたのよ!パジャマと布団カバー洗濯しなくちゃ。早く風呂から出て、手伝って!!
慌てて風呂から出て息子を見たところ、泣きじゃくっている。とにかくなだめるしかないなと思い、背中をさすったり、寄り添って状況を見守った。以前吐いた時には狼狽して怒鳴ってしまったことがあり、その反省を生かして最大限の優しさで接した。去痰薬を飲ませたり、ヴェポラップを塗ったりして咳はようやく落ち着いたが、今度は眠れなくなったようであり、遊び出した。絵本を読んだり、絵を描いたり、おもちゃで遊んだりしながら小一時間過ごした。根気よく息子のペースに合わせていたら時計の針は深夜1時を過ぎていた。幸いその後は朝まで穏やかに眠ることができたが、寝不足だ。
大人と違い、子供に使える方法は圧倒的に少ない。それでも、ないわけではない。大切なのは根気だということを改めて学んだ。当直代は出ないが、また1つ経験と信頼ができたような気がした。