妻の体調が悪くなり、息子を保育園に迎えに行くことがあった。お迎えは勤務先を早退する必要があり、朝からソワソワしていた。その日はちょうど手術もなく、後ろめたさはなかったが、やはり落ち着かない。
そうこうしているうちに予定時間になり、保育園へ。出迎えてきた息子はやや驚いた表情で下駄箱から靴を取り、他のお子様からバイバーイ!と声をかけられながら保育園を後にした。
そして、勝負はここからである。そのまま自宅に帰ろうと思えば10分もかからない距離であるが、散歩大好きな息子はそれでは満足しない。息子に手を引かれながらゆっくり着いて行ってみた。坂を曲がり、下って上がり、信号を渡り、気が付いたら公園の入口にいた。どうやら、その日の昼も保育園の先生に連れられて行ってきたようである。しかしながらその時間は門が閉じられていた。あたりは夕方から夜に変わろうとしていた。
せまい!と文句を言いながら門の隙間から突入しようとする息子をなだめ、公園の周りを外から一周し、暗くなってきたからこわいよー!と恐怖を少し煽りなんとか帰路についた。1時間半、約3kmを歩いたことになる。おそるべし2歳児の体力。妻がよく言っていた帰り道の憂鬱はこのことかと確信した。
普段やっていないことをするのは新鮮だった。妻には毎日やってくれと言われた。時間をある程度自由にできる個人事業主になるのも悪くないと少し感じた。その頃には息子を送り迎えする必要はなくなるだろうけれども。。。